7日−8日
このド派手な民族衣装を着た人と写真を撮るのは2人で10DH(100円)だ。
ここ、マラケシュのジャマ・エル・フナ広場はかつて公開処刑場であったが
今では大道芸人達が集まり、蛇使いや猿回し、ベルベルダンス、伝統音楽、子供ボクシング、アクロバット芸・・・
毎日がお祭りの野外劇場となり100件を越える屋台が立ち並び、最もモロッコを体感出来る世界遺産の広場だ。
100%オレンジジュースや、ケーキ、おかし、みやげ物、サボテンの実、カタツムリ・・・!?
日本では梅雨の時期になると出てくるあのかたつむりちゃんを!食べる?
食べてみた。
その瞬間私の記憶は小学生の頃にさかのぼり、団地の壁にへばりつきながら
触覚を揺らしゆっくり歩いているかたつむりを弟と捕まえていたなつかしい光景が目に浮かんだ。
うむ。食べ物ではないな。。。
見るもの全て全てカラフルで胸が張り裂けそうな位はしゃいでいた。
私にとって旅の終点でもあるこの街では日本人の友達が出来た。
1つ年が下の男の子、けんちゃん。30カ国以上旅をした経験を持ちスペイン語を話す正真正銘の
バックパッカーである。
2人で旅の思い出話をしながら歩いていると皇太子様と雅子様か!と思うほど皆なが見てくるし
ちょっかいを出されすぎて歩いていられない程だった。
マイクを持った司会者がいれば群衆の前で日本人ですーーー!と見せ物にされ、
人だかりのある大道芸人達の芸を見ていると5秒位ですぐ気づかれ、『チップ チップ!』
と声をかけられる。どこもかしこもまともに見ていられやしない。
そして一枚写真を撮った瞬間またこちらにやってきた。
すぐに立ち去ろうとした。が、私達に真剣な顔をして『ビジネス!ビジネス!』と言ってきた。
私はある事に気がついた。ここにいる芸人さん達は皆、サービス精神でやっている訳ではなく、仕事としてこの広場に集まっているんだ。
むしろ、モロッコの伝統文化に観光客が携わる事によって発生するお金は当たり前の事なのかもしれない。
天と地が逆さまになった様な気持ちになった。ガイドブックに書いてあったように、騙そうとか、ぼったくろうとしている人も中にはいるかもしれない。
しかし、誰も来やしないのに広場で1人でポツンとラクダの置物を売っている小さなおじいさんや、
100円値切るのに20分位かけてやっとまけてくれた陽気な太ったおじさんらが、私を騙そうとしているようには思えなかった。
私の誤解は多くの現地の人と携わる事によって打ち消された。
夜はペルー人のエリちゃんも加わり1番にぎわっている屋台で3人でご飯を食べた。
こちらこそ、出会えた皆なにありがとう!!と心から言いたい。
私の旅はこうして終わりを遂げた。でも未来に繋がる夢に向かっての旅はまだまだ始まったばかりである。
そして一枚写真を撮った瞬間またこちらにやってきた。
すぐに立ち去ろうとした。が、私達に真剣な顔をして『ビジネス!ビジネス!』と言ってきた。
私はある事に気がついた。ここにいる芸人さん達は皆、サービス精神でやっている訳ではなく、仕事としてこの広場に集まっているんだ。
むしろ、モロッコの伝統文化に観光客が携わる事によって発生するお金は当たり前の事なのかもしれない。
天と地が逆さまになった様な気持ちになった。ガイドブックに書いてあったように、騙そうとか、ぼったくろうとしている人も中にはいるかもしれない。
しかし、誰も来やしないのに広場で1人でポツンとラクダの置物を売っている小さなおじいさんや、
100円値切るのに20分位かけてやっとまけてくれた陽気な太ったおじさんらが、私を騙そうとしているようには思えなかった。
私の誤解は多くの現地の人と携わる事によって打ち消された。
夜はペルー人のエリちゃんも加わり1番にぎわっている屋台で3人でご飯を食べた。
どれもスパイシーな味がしておいしかったが、ざっくりとした味付けで日本にはあまりない食べ物だ。
歌を歌ってくれて日本のギャグを連発してくれ楽しませてくれた仲良くなった人達。
えりちゃんはホテルに戻り、私とけんちゃんは2人で昨日楽しませてくれた広場の屋台にいき、
思い出話や今まで旅をして来た国の話、未来の話、色々な話をした。
昨日バッタリ出会っただけなのになんだか親友と話をしているようだった。
この旅を通して、自分は何を得て、これからどんな風に変わっていくべきなのか、色々な事を発見出来た気がする。
いつの間にか時計の針は明日をさしていた。
部屋に戻り、日本に帰る準備を始める。
ずっと背負っていたバックは旅の沢山の思い出と共にさらに重さを増していた。
毎日つけていた日記を読み返すとなんだか自然と笑顔になっていた。
何語も通じず絵を描いて道を聞いたり、電子辞書の文を書き写してお礼を言ったり、アトラス山脈でもしかしたらバスが転落するかもしれないから最後に何かを残そうとして書いた不可解な文章があったり・・・
次々と溢れる記憶に懐かしさを感じていた。つい何日か前の出来事なのに。
その夜、少し日本語が話せるホテルの人がテラスに連れて行ってくれた。
最後の夜はとても寒かった。
『日本はたぶん・・・あっちだよ!』
指を刺した先は真っ暗闇でおそらく違うような気がするけど遠い遠い遠すぎる日本とも空で繋がっているから
もしかしたらあたっているかもしれなくて、そこに明日帰るのだと思うとなんだかとっても寂しい気持ちだった。
バックから折り紙を引っ張り出して、けんちゃん、えりちゃん、ホテルの人に千羽鶴を作った。
気がつけば朝出発しなくてはいけない時刻になっていて、皆なの部屋のドアに鶴をかけてホテルを出た。
モロッコではよく『シュクラン』と言われて、いったいこの言葉はどんな意味なのだろうと思っていた。
帰りの飛行機の中で初めて調べてみたら、アラビア語で『ありがとう』という意味だった。
どこでもかしこでも聞こえてきた『シュクラン』
こちらこそ、出会えた皆なにありがとう!!と心から言いたい。
私の旅はこうして終わりを遂げた。でも未来に繋がる夢に向かっての旅はまだまだ始まったばかりである。
2010.10.10~10.21 旅日記 END 浜本蘭